乱華Ⅱ
「…修?」
「うん。修が女を振り回しても、絶対に振り回されないって言ってたけどそれって
どういう意味なんだろう?」
わかる?と颯人の方へと体ごと向く。
颯人は缶ビールをテーブルの上に置いて考えているのか、少し沈黙になった。
「心」
「…うん」
「修の事を俺が話すのは簡単な事だ。
だけど、それじゃぁ意味がねぇって思わねぇか?」
「…そう、だけど…私が踏み込んでいい事なの」
「それこそ本人に聞け」
「…」
「お前が修に踏み込みたいって思ったんなら、いいんじゃねぇのか?」
「…」
本当にそうだろうか?
少なくとも私は颯人達に何も話してないし、踏み込んで欲しいとは思っていない。
それなのに、自分は踏み込みたいとか自分勝手なんじゃないだろうか?
「…俺はお前に踏み込みたいって思ってる」
颯人は私の頭を撫でて、至近距離で見つめて来た。
そしてその綺麗な口が「お前は違うのか?」と紡ぐ。