乱華Ⅱ
次に目が覚めた時にはまだ日は登っていない時間だった。
壁にある時計は5時を指してる。
「……」
そしてお腹に違和感を感じた。
…というか全身違和感だらけだ。
お腹に回された腕。
背中に感じる温もり。
頭にあるもう一つの腕。
「…颯人」
「あ?」
振り返って彼を呼べば意外にも合う視線。
なんで起きてんの!?
びっくりした私を他所に清々しいほどの普通な態度。
てか寝ぼけてるならまだしも、これ確信犯ってやつですか?
何もしないって言った昨日のセリフは何だったんだよ!!
心の中で悪態つく私なんておかまいなしな颯人は
「お前、抱き心地いーな」
なんて耳元で低音で囁くから思わず仰け反った。
え、何これ。何これ!!
颯人に悪びれた様子が全く感じられないんですけども!!
「…颯人」
「…ん?」
「……」
こんな時にだけあ?じゃなくてん?って言うの反則じゃないでしょーか!!
何も言えなくなった私に颯人は「まだ早いから寝ろ」って言われて再び眠りに落ちた。
次に起きた時に何やってんの私!!
と悶絶したのは言うまでもない。