乱華Ⅱ




その姿と言ったらウチのNo.2とは思えないくらい間抜けだった。



これから暴走するってのに…少しは切り替えて欲しいモンだよ。

わかりやすいくらいのため息をついて眉間を抑える。


俺最近溜息付きすぎな気がするんだけどなぁ…ほんっとこいつらと来たら…




「おまっ!ふざけんな!こんな気持ち悪ぃモン被せんな!」


「アンタが買ってきたんですけど!?」


「…はいはい。タクが悪いって事でもうやめな」



2人の間に割って入って、心ちゃんに投げつけようとしていたトナカイの被り物をタクから奪い取りゴミ箱へとポイ、投げ捨てた。




心ちゃんはほれ見ろと言わんばかりの顔でタクを見ている。
タクは「俺は悪くねぇ」と不満げにブツブツと呟いていた。



俺から見ればどっちも同レベルだけど。あえて言うならそんなもん買ってきたタクが悪いって事。



「タク言っておくけど、心ちゃん今日颯人の後ろじゃないからね」


「…は?」



ソファに座ってタバコに火をつけたタクは、鳩が豆鉄砲食らったかのような顔をしていた。



「だから今日の暴走の時心ちゃんは颯人の後ろじゃなくて、車だから」



ね?とソファーの横に立つ心ちゃんに同意を求めると、コクリ彼女は小さく頷いた。

向こうにまで聞こえているのか修が「へぇ〜」とにやにやとしている。
司はどうでもいいって感じの態度で地図とにらめっこ。



「…聞いてねーんだけど?」


「そりゃ言ってないからね」



思い出したかのようにタバコに口をつけるタクに悪びれもなく言えば「早く言えよ」と舌打ちしている。



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