乱華Ⅱ
その後私は倉庫の入り口にしゃがみ込み、みんなが帰ってくるのを待った。
正宗は携帯を耳に当て誰かと話しているみたいだったけど、近くにいる。
寒くないと言えば嘘になるけど白い息を吐きながら空を見れば、雲間から覗く月が見えた。
耳に微かに届くバイクの音は誰のものなのか…
そのまま待つこと数分、爆音を響かせながら帰ってきたのは修とタク。
「おかえり」
「おう、ただいま」
「ただいま。まぁたお出迎え〜?よくやるねぇ〜」
タクは私の頭をポンと叩きそのまま中へと入って行った。
修は私の顔を覗き込みクスリと笑う。
その顔がなんだかバカにされたみたいに感じて、イラっとした。
…本当、この前とはえらい違い。
だんだんアレが夢なんじゃないかと思えてくるけど、アレは現実なんだよね。