乱華Ⅱ





うだうだと考えているだけの私はズルさの塊で、そのまま考えていれば颯人が帰ってきた。



「…おかえり」


「…ただいま」



うん。
少しぎこちなくなるのは一昨日の出来事のせい。


だって!
いきなり抱き心地いいとか言われたらびっくりするじゃん!


しかも颯人に。
あんた顔整いすぎなんだよ!それだけで心臓がドキドキするからね!!




もっと自覚持ってもらいたい!!
まぁ、なんてことない顔で言われたけどね!






…だけど一番吃驚しているのは、こんな事に動揺している自分になんだけど。




処女かよ私は!!





少し熱くなった顔が誰にも見られないように、マフラーをほっぺたまで引き上げる。



こんな顔見られたら恥ずか死ぬ!!




それからしばらくは乱華のメンバーが次々と倉庫に帰ってきていて、それに挨拶しつつ頬の熱が落ち着く頃、司のバイクが帰ってきた。




そしてやっぱりケツ持ちしているらしい司は一番最後。





「おかえり」


「たっ…ただいま」


そしてまた司は動揺している。


…前もそうだったなぁ。
私が“おかえり”なんて言ったからって思ってたけど、もしかしたらそれ意外にも理由があるのかも。



…例えば私と一緒で言われ慣れてない、とか。


なんて考えながらみんながいる一階の中心に司と歩いて行った。







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