乱華Ⅱ




そのまま颯人の隣に座って、ご飯を食べた。
もちろんその時には腰に手なんかなくなっていて



「これも食え」


「…は?」


「食え」


「…」


なぜか颯人にテーブルに並んだ料理を装われ渡された。



颯人がくれたお皿にはこぼれ落ちそうな量の料理。しかも主に肉。
そしてもう一皿渡されて、そちらはパスタやサラダ。



いやいや。
量!多いんですけど。

なにこれ。




「お前、もっと食って太れ」


「…これでも前より太ったんですけど」



あんたらが食べさせるからな!

初めてみんなでご飯食べた日から、やたらと食べさせられ、今じゃ前より食べている…はず。



それなのにこの男は




「まだ食え、お前細ぇ」


はぁ!?
抱き心地良かったんじゃないんですか!?あんたそう言ったよね!?




吃驚した顔して颯人を見やるが、この男は涼しい顔して唐揚げ食ってた。



その唐揚げそのまま喉の奥に突っ込んでやろうか!?



「……」


ジト目で颯人を見て、そのお皿と向き合った。

…が、やっぱり全部食べれる気がしない。





「心ちゃん、前よりはマシだけどまだ細いからねぇ。食べれるだけでいいから食べなよ」



颯人の隣で私達のやり取りを見ていたらしい正宗が、クスクスと笑いながら助け舟を出してくれた。




さっきの笑顔といい、あんた今日は神か!!



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