乱華Ⅱ




「そういえば、あれからどう?何か成果はあったの?」


「あぁ。サッパリだな」


「こっちもだわ。碧のガセなんじゃねーの?」


「んーまだそうと決めつけるには日が浅すぎる、かな」




タクが私の残した料理を食べ始めたと同時になされる会話。



主語がないその会話は私にはやっぱり理解できるはずもなく、だんだんと暇になるわけで…




「…私、トイレ行ってくる」


「あ、うん。気をつけてね」


そのまま席を立つと、正宗が困ったように笑った。



…それは、私がいない方がいい会話ってコト。





わかってるけどね。
私に聞かせられる話とそうでない話があることくらい。



私が“乱華の姫”でも私は“乱華”ではないから。


…それがちょっとさみしいって思うだけ。




一階奥にある女子トイレで用を足して手を洗って元来た道を歩いていたら



「…よぉ、こんな所に1人で大丈夫か〜?」


「……修こそ。何してんの?」



みんなが騒ぐ場所からは離れたここ。


来る時は死角になって姿が見えなかったけど、積み上げられたドラム缶に寄りかかりタバコを吸う修がいた。




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