乱華Ⅱ
その横に転がってボーっと空を見上げる。
別に女遊びがしたかったワケじゃないんだけどな。
ただ環境が悪かった、とでも言っておこうか。
そこに美味そうなケーキがあったとして、食べていいよって言われたら迷わず食うだろ?
ようはそう言う事だ。
俺は誘いに乗っただけであって、一度も自分から誘ったことなんてない。
そこに後悔はないし、別にこのままでも何も不自由なくやっているわけだし。
でも、例えばもし、本気で好きな女がいたらこーはなってなかっただろうな…なんて、ありもしないもしも話を考えたりもする。
ま、そんなのは所詮絵空事だ。
俺は俺でしかないし、ずっとこのままなんだろう。
…この時はそう考えていた。