乱華Ⅱ
店に向かう間にわかったこと。
彼女の名前はミリ。
その青い瞳が本物か聞いたところ、彼女は薄く笑って「クォーターなの」と答えた。
年は対して変わらない様に見えたが俺の4つ上の20歳。
この近くに住んでいるらしく、夜の仕事をして生計を立てているらしい。
「…じゃぁ修はあの乱華なんだ」
「そう。引いた?」
「…引かないよ。お店の子が話してるのよく聞くし、あたしはそんなの別に気にしないから」
ミリの指す“あの”がどの部分か知らないけど、ミリは俺の周りにいた女とは違っていた。
ハッキリ言ってこの手の女は俺を一種のステータスとして、そばに置いておきたがる。
俺が乱華だと知っても何も変わらなかった。
ただそれだけで居心地がよく感じてしまったのは、ミリだから…なのだろうか。
たかが出会って数十分。
たったそれだけの時間なのに、俺はミリに惹かれていた。