乱華Ⅱ
出来ることなら俺がなんとかしてやりたかった。
でも俺は所詮まだ高校生で
働くといってもバイトくらいしかできなくて。
「でも、修が走んなくなったから俺つまんねーもん」
ミルクティー色の髪の毛をピンで散らして、もんとか言うな。もんとか。
司はどここらどーみても不貞腐れた女の子みたいだった。
「あー…次の暴走にはちゃんとでるって」
司は納得いかない表情のまま、手に持つイチゴオレをストローでちゅーっと飲み出した。
いちいちチョイスがかわいいなぁ…
まぁ司本人にそんな事、言わないけど。
ミリに今度仕事がいつ休みかを聞いたメールを返信して、颯人へと目を向けた。
その射るような鋭い目は閉じられているが、こいつは多分起きているんだろう。
「そーゆーわけだから総長から暴走の話あったらすぐに教えてね?」
「…あぁ」
「なんで俺じゃなくてわざわざ寝てる颯人に聞くんだよ!?」
同じ幹部補佐なのにわざわざ颯人に聞いた事が気に食わないらしいタクは、片膝を立てて今にも俺に飛びかかって来そうな勢いだ。
…勘弁してちょーだいよ。
俺は男と抱き合う趣味なんてないんだって。
「まぁなんとなくだから気にすんなよ?」
やっぱり飛びかかってきたタクをひらり躱して、俺は空き教室を後にした。