乱華Ⅱ
それからミリをoceanに送って倉庫に向かった。
ぶっちゃけ繁華街をミリと歩けば嫌でも目立つが、それは俺がなのかミリがなのか…はたまた両方なのからわからなかった。
ただミリはそんな視線気にも止めず、普通に俺との会話を繰り広げる。
それはイコールこの視線に慣れているという事だろう。
あくまでペースを乱されない。
あくまでペースを乱さない。
凛とした花がそこに咲いているかのように。
ミリはそんな女だった。
「…やっと来たね」
「…昼間会ったでしょーよ」
1階の片隅、ドラム缶の上にノートパソコンを置いて何かを調べている正宗が俺に気付いた。
ニコリ業務的な笑みを浮かべた正宗が、なんでまたこんな所でパソコン弄ってるんだろうか、なんて考えるはずもなかった。
だって俺たちはまだタクや颯人と違って幹部補佐ですらない。
もちろん幹部なわけでもないので、あの2階には入れるはずもなく
こうして下にいるってワケだ。