乱華Ⅱ
それからミリはすぐにきた。
「修」
リンと鈴がなるような声。
時間ぴったりに来たミリはいつも出勤前に見る格好とは違い、少しめかし込んでいた。
黒のホットパンツから除く白くて細い足。その足元はショートブーツ。
白シャツを着て黒縁の伊達眼鏡を掛けていた。
「ごめんね、待った?」
「いや、俺も今来た所」
「じゃぁ、行こっか?」
「…ん」
ミリに手を差し出して、その手がゆっくり握られた事を確認して、繁華街にあるカフェバーに向かった。
最初は和真さんが経営するゲンにしようかとも思ったけど、それじゃぁミリの存在を見せに行くようなもんだし。
まぁどうせ俺の噂なんて耳にしてるだろうし、あの和真さんが颯人達に何も言わないわけがない。
よってゲンは却下。
ミリに相談すればミリのオススメの店があるらしく、簡単にそこに決まった。
店内に入ってすぐにウェイターに席に案内される。
木目調のオシャレな店内は落ち着ついた暗めの照明で、オープン席と半個室の席に分かれていて
俺とミリは半個室の部屋に案内された。