乱華Ⅱ
ご飯を食べ終え店を出る頃にはすっかり日は暮れていて、昼間と違って少し肌寒ぃーな…なんて思った。
なんで昼間はあんなに暑くて夜は寒ぃんだよ。
気候に文句を言ったところでどうにもならないが、この温度差をどうにかして欲しい。
ふと横にいるミリを見れば、手で腕をさすっていて、明らかに寒そう。
そりゃそんだけ足が出てりゃ寒いか…
「…えっ?」
「寒ぃんだろ?着とけよ」
俺が羽織っていた黒のカーディガンをミリの肩に掛けて、その場から歩き始める。
「修も寒いでしょ!?いいよ!!」
少し後ろからミリの声が聞こえてくる。
寒くないと言えば嘘になるけど、少しくらいカッコつけさせろ。
「大丈夫だから、ミリが着てて」
「……うん」
俺に追いついたミリに言って、その手を握る。
俺より少し冷たいミリの手が、俺の熱と溶け合ってだんだんと同じ温度になる。
手を繋いだまま俺はある場所へと向かった。