乱華Ⅱ
ヤバイと思った時には口にしていて…
まだ言うつもりなんてなかったのに…
ミリを腕に抱けば、この子を俺のものだけにしたいって…
誰にも渡したくないって…
子供みたいな独占欲が湧いてきた。
「ちょっと待って、今のナシ」
パッとミリを解放して、その場にしゃがみ込む。
あーくそ
俺、本当にどうした?
前はもっとうまくやれただろ?
何先走ってんだ?
こんな雰囲気もクソもない所で!!
こんな突拍子もなく!
「〜〜〜!!」
ガシガシと自分の頭をかいて、悶絶する俺にふふ、とリンと鈴が鳴ったような声が聞こえた。
「今のナシなの?あたし、うれしかったのに」
少し屈んで、俺の目を覗き込むようにして言うミリの表情は柔らかい。
「…それは」
どういう意味のうれしい?
ただうれしいだけ?
それともただの社交辞令?
それともーーー…?
うれしいにもいろいろ意味があるだろ?