乱華Ⅱ
すくっと立ち上がった俺のすぐ横でミリも立ち上がる。
「あたし、修が好きだよ」
リンと鈴が鳴るような声。
その綺麗な声で好きと言う。
ミリの青い瞳が、その白い肌が、その全てが。
…ミリの全てが俺にとってかけがえのない存在。
その存在は生まれて初めて好きという感情を抱いた子。
「…俺もミリが、好きだよ」
「ふふ、嬉しい」
こんな雰囲気もクソもない場所だけど、その上空を照らす月だけは綺麗だった。
この時の俺は好きになるのは、後にも先にもミリだけだとか柄にもなく思っていた。