乱華Ⅱ
「そーいえばあの服誰が着替えさせてくれたの?」
「…あ?」
「だから!服!着替えさせてくれたんでしょ?私ワンピース着てたし」
…あの汚れなんで一つもない、真っ白なワンピース。私とはまるで正反対の様な純白さだった。
「…だよ」
「は?」
「颯人だよ!あの時お前、颯人と部屋にいたんだから颯人以外に誰がお前を着替えさせるんだよ!?バカかお前はっ!」
何故か手に持つ洗剤を床に投げつけて、顔を赤くして怒り出したタク。
…意味わかんないんですけど。
え、なんで私怒られてんの?
バカとか言っちゃって舌打ちまでしちゃってるんですけど。
なんだこいつ、と白けた目でタクを見ようとした瞬間…
「ギャーハッハハ!!」
部屋中に木霊する勢いの笑い声。
目の前のタクからではないし、もちろん私が発したワケでもない。
つまりは…
「ウルっせぇよ!修!!」
タクがリビングにいるであろう修に向かって怒鳴り散らしながら洗面所を出て行った。
…いや、あんたも十分にうるさいし。
なんで朝からこんなに疲れなきゃならないのか、とぐったりしながらもとりあえず顔を洗って、あのパーカーに着替えた。