乱華Ⅱ
昼間と言えど12月。
バイクで走るなんて自殺行為かも知れないが、そこは暴走族なだけある。
俺もタクもバイクが好きだから、なんの苦にもならない。
ただいつもより少し厚着をして出掛けたけど。
バイクで走ってる時は、無駄な事をあまり考えなくて済むから楽だった。
小一時間程バイクを走らせ目的地に着く頃には、既に昼を過ぎていて
洒落たもクソもないフードコートでさっさと飯を済ませた。
飯を食い終わり施設内を歩く。
タクはマフラーが欲しいらしく、それに付き合ってショップを物色して回った。
クリスマスイブだからか冬休みだからか、人が溢れ返っていて、はっきり言ってうざったい。
隣街でも俺らを知る奴らはいるらしく、少し遠目にちらちらとこちらを見ながら、ヒソヒソと言い合う奴らも目に入った。
「…喧嘩すんなよ」
「…はいはい。わかってるよ」
今はしないよ、と心の中で付け足してふらふらと歩く。
「…なぁ、お前ちゃんと寝てんのか?」