乱華Ⅱ
大きな瞳をそれ以上に見開き固まる彼女は
次第にその顔から表情が消えて行き、感情の読めない顔になる。
「おい、修何してんだよ!?」
俺の突然の行動に吃驚したタクが、直様俺の横へと来て、俺と彼女とを交互に見やる。
「……ミリ」
「はぁっ!?」
俺の言葉を聞くや否や、タクはわかりやすいくらいに顰めっ面をする。
そしてミリを睨みつけた。
…そこにいるのは紛れもないミリで。
まるで敵を見るかのような目を向けられても、それに特に反応も見せずにただ無表情でそこに立ったままだった。
俺がこの1ヶ月探し回ったミリ。
久しぶりに見た彼女は、白のニットに黒のペンシルスカート、高いピンヒールと俺が見たことのない、大人を漂わせる格好をしていて
まるで俺の知らないオンナの様だった。