乱華Ⅱ




それにミリはやっと反応してくれたらしく、徐々に顔を上げる。



だけどどこか様子がおかしい。

ミリの肩を掴んだ手に伝わる振動。




小刻みに揺れるミリは



「ふふ…」


あのリンとした声が聞こえたかと思えば、何がおかしいのかあはは!と笑い出した。





「…」


「おい、何笑ってんだよ!」



タクの怒鳴り声で、周りの人達が何事かと振り返るが、そんなものはどうでもいい。





今、何が起こっている?




オカシイくらいに笑うミリは、俺の知っているミリじゃない。




一頻り笑ったミリは、やけに冷めたどこかバカにした様な顔をして、あの鈴の鳴る音色で言った。





「まさか、あたしの事探してたの?」





バッカじゃないの、と付け足したミリが…


その冷たい声が、その表情が、その全てが。






俺をどん底へと突き落とした。




< 95 / 200 >

この作品をシェア

pagetop