乱華Ⅱ
もういい。
わかったよ。
遊ばれて、俺が1人舞い上がって、気づかなかった。
そういう事だろう?
本当くだらねぇ。
ハッとやけに乾いた笑みが漏れた。
「ミリ…教えてくれ。俺はお前にとって何だったんだ?」
タクの「おい!」と制止する声も無視して、わざわざトドメを刺されに行く俺は、単なる馬鹿。
それでも、聞いておかなきゃいけないと思った。
「…あなたと会った時、もう既に結婚が決まってたの。だからあなたはあたしにとって、最後の暇つぶしよ」
クスクスと笑うミリはもう俺の知るミリじゃない。
冷めた青い瞳も、その鈴が鳴るような冷たい声も。
そのオンナを思わせる格好も。
全て全て、俺の知らないミリ。
「…そうか」