赤い扉(ホラー)
「今は使われてないらしいけど……。


変なんだ、俺が一人でここに入ったときは中も暗くて、薄気味悪い感じがしたけど、小野先生と入ったときはセンサーライト付きの綺麗な部屋だったんだぜ」


「小野先生と?」


眉をよせるソラに、国方は今日の放課後にあったことを話し始めた。


「……おかしいですね」


話を聞き終えて、安田が軽く身震いをする。


「けど、今ここは鍵がかかってて入れない。とにかく、小野先生が仕事終ってここに来るのを待つしかないか」


かくして、三人は地下室の廊下に座り込み、サヤカを待つこととなった。


しかし、薄気味悪い地下室で男と女が三人でいると妙に意識してしまう。


少し手が当たるだけで「あ、ごめん」と言ったり、沈黙が延々と続く。


そんな緊張を知ってか知らずか、ソラの携帯が鳴り始めた。


学校なのでバイブにしているが、その音でさえやけに大きく響く。
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