赤い扉(ホラー)
キョトンとして国方が言う。


その瞬間、ソラの背筋に寒いものが這い上がってくる。


「何よそれ、そんなこと聞いてないわよ」


いきなり立ち上がり、怒鳴り始める。


「向井さん?」


安田がそのソラの姿に目を丸くする。


「私はただこの女の子の事を調べようと思ってきたのよ。そんな、女のうめき声だなんて」


最初は安田のノートを指差し怒鳴っていたのだが、最後の方は呟くように言う。



そんなソラを見て、国方がニヤリと口の端を上げて笑った。


「さては、ソラちゃん怖いんだな?」


確かに、怖い、と顔に書いてあるそうなものだ。


「そんなことないわよ! なにいってるの」


慌てて、ソラが視線をそらす。
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