赤い扉(ホラー)
廊下の電気が切れ掛かってチカチカと点滅する中、りえはそっと職員室のドアを開けた。


別に、ここの生徒なのだから遠慮する事などないのだが、何故だか入るのに気が引ける。


「お、目が覚めたか」


そんなりえにすぐ気づき、サヤカが机から顔を上げる。


「うん」


そう頷き、サヤカ以外の教員が帰っていることを確認して職員室へ入る。


もうこんな時間だから誰もいなくてもおかしくないが、それでも変な感じがする。


「まだふらついてるな。ここに座っとけ」


言いながら、サヤカがわざわざ教頭の椅子を引っ張ってくる。


他の教員の椅子より少しクッションが多く、座りやすい。
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