赤い扉(ホラー)
「サヤカ!」


後ろから、大声で言われ、サヤカはハッと我に返る。


気づけば、地下室へ向かう階段が目の前にあり、危うく転げ落ちる所だった。


「大丈夫?」


慌てて、りえが階段の電気をつける。


「あぁ、ぼーっとしてた」


そう言い、ホッと息を撫で下ろす。


「りえ!」


階段の電気がついたことに気づき、ソラがすぐにかけてくる。


「こら、階段を走るな」


今、自分が転げ落ちそうになった事を棚に上げ、駆け上がってくるソラへ向けて一括するサヤカ。


「自分が落ちそうになったくせに」


小さくりえがそう言い、二人の笑い声が響く。
< 115 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop