赤い扉(ホラー)
「実はさ、階段で安田君がノート落としたじゃない」


「はい」


「その時、丁度あの絵が開いた状態になってって、一瞬だよ? 一瞬だからよくわからないけど、でもあの絵が笑ったように見えたんだ」


りえの言葉に、思わず全員がノートへ視線をやる。


「マジかよ」


国方が、あ~あ、というように空を仰ぎ、「本格的だなこりゃ」と続ける。


「本格的ってなによ」


思わず、りえが聞き返す。


「いいか? 女の子の絵を見て笑ったように見えたのはお前だけだぞ?


それに、女の子が夢に出てきたり、女の子が自分をリエだって言ってたり。


なにか、りえちゃんに関係あるとしか考えられねぇだろ?」


「関係って……そんな……」


りえは眉をひそめ、今までのことを思い出す。
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