赤い扉(ホラー)
「落ち着けよ! ただの停電だろ?」


国方の冷静な声がして、りえはホッと息をつく。


「あ、携帯」


と、思い出したようにソラが呟き、携帯を取り出す。


これで懐中電灯の代わりになる。


けれど、携帯の灯りはつかない「あれ?  電池切れ?」ソラは眉をよせる。


今朝充電したばかりでそんなに使ってもないのに……。


「私の携帯もつかない」


と、りえ。


「こっちもです」


と安田。


「役にたたねぇなぁ」


呆れたように言う国方の声がして、パッと懐中電灯の明かりが小さい範囲だが職員室を照らし出した。
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