赤い扉(ホラー)
でも、携帯がみんな電池切れなんて……、偶然? それとも……。


嫌な予感を抱えながら、グルリと職員室を見回す。


「別に停電じゃないみたいなのにな」


サヤカが首を傾げる。


次の瞬間、何か嫌なものを全員が感じ取り、その場で立ち止まる。


なにか、強烈な視線を感じる。


突き刺さるような、すごく重たくて、その視線から逃げれないような……。


りえは、ゆっくりとその視線の方へ体を巡らせていく。


そこにいたのは、机の下で体操座りをしている女の子。


赤いスカートの、女の子だ。


女の子が真っ直ぐにりえを睨みつけ、口の中でコロコロと飴を転がしている。


一瞬見えるその飴に、りえは見覚えがあり、体が動かなくなる。


女の子は軽く微笑み、ゆっくりと机の下から這い出てくる。


みんな、逃げなければとわかっているのに体が動かない。
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