赤い扉(ホラー)
「出てけ!」


サヤカが怒鳴るようにそう言い、女の子を睨み付ける。


女の子は無言のままジッとサヤカを見つめ、それからスッと消えていなくなった。


女の子が消えると同時に、体が急に軽くなる。


「りえ!」


慌てて、ソラがかけてくる。


りえは震える体を抑えながら、片手を開く。


そこには女の子が舐めていた動物の形をした飴。


りえは思わずそれを投げ捨て、「いやぁ!」とソラに抱きつく。


「大丈夫、大丈夫だから」


ソラはそう言い、りえを背中をさすってやっていた……。
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