赤い扉(ホラー)
サヤカはあの奇妙な音がした方へと近づいていく。


教室の片隅に、山積みになった椅子や机が散乱していて、それを一つ一つどかしていくのは時間がかかりそうだ。


「仕方ないなぁ」


サヤカはため息をつく。


国方が言っていた赤い扉のことなんかすでに忘れて、机や椅子を丁寧に直していく。


「だいたい、こんなに積み上げるから崩れて来るんだ」


グチグチと言いながら作業を進めていると、急にバタンッという音と共に入り口のドアが閉まった。


ハッと振り返るサヤカ。
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