赤い扉(ホラー)
しかし、そこには誰もいない。


次に、教室の電気がチカチカと点滅したかと思うと、真っ暗になる。


どうやら、廊下の電気まで消えたようだ。


サヤカはゴクリと生唾を飲み込み、懐中電灯のスイッチを何度か入れたり切ったりするが、さっきまで使えていのに今は役に立たない。


サヤカは二・三歩後ずさりをする。背中に壁が当たり、立ち止まる。


机や椅子が積み上げられる中、一人の女の子が立っているような影が見え、その瞬間、そこの部分だけが浮かび上がるように、光が差した。


「あんた……」


サヤカが目を見開く。


今まで気づかなかったが、その女の子はよく見るとりえそっくりなのだ。


女の子は軽く微笑みながら「私の家なの」と言う。


「え?」


聞き返すと、女の子は山積みになった机を指差し「私の家なの」と繰り返す。
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