赤い扉(ホラー)
「なぁ、何か気づいた事とかないか? あの女とか子供を見て」


国方が、りえの前に座り、まるで子供に聞くようにそう言う。


りえは震える両手を自分で強く握り締め、


「安田君の絵……」


と、呟くように言った。


「絵?」


「うん。あのメモ帳に描かれた絵は私のお母さんにそっくりだった」


「お母さんに?」


眉をよせる国方。


けれど、それを聞いたとたん、ソラが動きを止めた。


「お母さん……?」


呟くように言い、ジッとりえを見つめるソラ。
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