赤い扉(ホラー)
「学校でも、いつもこの飴くれるよね」


国方はソラからその飴を奪い取り、先ほどの女の子が舐めていた飴と見比べる。


「りえちゃん……」


「違う、私じゃない、私知らない! あんな子供も知らない!」


けれど、二人は徐々に自分から遠ざかる。


「でも、りえに関係することは確かよ」


あれほど仲のよかったソラが、今では別人のような目つきでりえを見ている。


違う、私じゃない。私は何もしてない……。


心の中で思いながら、りえはグルグルと頭の中を回転させる。


一瞬、脳裏によぎる赤い扉に、砂浜。
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