赤い扉(ホラー)
「そうか……。けど、残念だったな。

俺たち以外にもあの地下室で変な女の声を聞いたという輩がいるんだ。だから校内でそんな噂も立ってた。違うか?」


国方の言葉に、安田の表情が一変する。


まるで鬼のようになった安田の顔に、三人はたじろく。


けれど、ここで時間をくってなんかいられない。


「またな」


国方が一言そう言うと、三人は窓へ向かって駆け出した。


一か八か……。いや、絶対に着地してみせる。


りえはそう思い、割れた窓に足をかける。
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