赤い扉(ホラー)
その言葉に、思わずりえは微笑んだ。


ようやく、いつものソラに戻った気がする。


「それに、今家に戻っても危ないだろう。ヤツら、何するかわからねぇし」


国方も、本当は辛いのだろうがそれを顔に出さないでいる。


りえは公園に付けられている大きな時計に目をやり「もう二時」と呟く。いつの間にこんな時間がたってしまったのだろうか? 


全く、眠気など感じなかった。


「どうする? あの町まで車で一時間はかかる場所だ」


国方が、困ったように眉をよせる。


車で一時間、歩いたら朝方になってしまうだろう。
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