赤い扉(ホラー)
暗くてみえなかったが、ひねったところが痛々しく腫れていて、りえは目をそむけた。


自分のせいでこうなってしまったと思うと、申し訳なくて仕方がない。


「りえちゃんも少し休めよ」


隣に座っている国方が、りえを気遣う。


「うん。大丈夫」


りえは一つ頷き、それから考えた。


何もかも、自分に関係している事だとしたら、一体どうすればいいのか。


自分が何か知っていることが手がかりになるのだとしたら、早くそれを見つけ出したい。


けれど、りえはそんな心当たりもないし、母親そっくりな人や自分にそっくりな子供が出てくる理由もわからない。


もしかしたら、母親が何かを伝えたいのかもしれないが、それならこんな酷い事をしなくてもいいだろう。
< 181 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop