赤い扉(ホラー)
☆☆☆

それから、何分くらいたったろうか。


ふと顔を上げると、国方とソラはウトウトと眠り始めている。


りえはそれを見て微笑み、「ごめんね」と呟く。


外は真っ暗で、一体今どのあたりを走っているのか全く解からない。



りえは窓枠に肘を乗せ、手に頭を乗せる。


相変わらず電車は一定の音を上げて走っていて、ほとんど人のいない車両を運んでいく。


この電車、終点はどこまで行くんだろう。


そんなことを考える。普段あまり電車を使わないりえは遠くの町まで言った事がない。


それは母親が死ぬ前から一緒で、母親が死んでからは更に遠出する機会はなくなった。


「お母さん、何を伝えたいんだろう」


ぼんやりと、そう呟く。


その瞬間、窓の外に微かな光が見えて、りえは目をこらす。
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