赤い扉(ホラー)
ゆっくりと窓に視線を戻すと、光はすぐ近くまで来ていて、電車じゃなくてりえを追ってきているように見える。


その瞬間、黄色い光が破裂するように弾け、りえは思わず目を閉じた。


目を閉じていても、その眩しさは伝わってくる。



しばらく目を閉じていると、スーッと光が消えていくのがわかり、りえはそっと目を開けた。


窓に視線を移し、悲鳴を上げる。


自分の母親が、首だけの状態でベッタリと窓に張り付いているのだ。


その顔も、以前の綺麗だった母のものではなく、頬や額が血まみれで、ニヤリと笑ってこちらを見ているではないか。
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