赤い扉(ホラー)
りえは震えながらも母親の顔から目が離せない。


すると、大きく見開かれた母親のその目が、ゆっくりとりえの後方へと視線を移した。


りえも、つられて後ろを振り返る。


目の前に国方とソラがいる。


両目をえぐりとられ、大量の血が噴出す状態で、母親と同じように笑いながら、こちらへ近づいてくるのだ。


「やめて……」


声が震える。


目の前にはソラと国方、そして後ろの窓には母親。


愛しいはずの人たちの変わり果てた姿にりえは涙がこぼれた。


恐怖や悲しみではない、それを超えたものが体の中にこみ上げてくる。


国方の両手がゆっくりとりえの首にかけられる。
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