赤い扉(ホラー)
☆☆☆

その駅は小さく、降りる人も乗る人も他にはいなかった。


三人はソラの足を気遣いながらも、ゆっくりと歩いてその町を目指した。


駅を下りたときから潮の匂いが鼻に付き、少し歩けば海だとみんなわかっていた。もうすぐ、もうすぐで謎が解ける。


そう思うと、徐々に歩調は早くなり、会話も少なくなる。


しばらく歩くと、町の入り口まで付いたのだろう、立ち入り禁止の文字と、工事用のコーンが見えてきた。


「人はいないみたいだらから、大丈夫だ」


国方が、広い道路を、見渡して言った。


隔離されていると言っても、ただ車が通れないように道の両端のコーンに紐をくくりつけているだけ。


三人はそれぞれに顔を見合わせ、それから紐を潜ってその町へと足を踏み入れた。
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