赤い扉(ホラー)
国方は、なんとか吐き気を押し殺し、辺りを見回す。


もう夜明けが近いのだろうか?



空が白みがかってみえるのは、目が慣れたせいか。


「わからない」


りえはただ首を振る。


けれど、その時少し離れた場所にソラが立っている事に気づいた。


「あれ?」


国方もそれに気づき、眉をよせる。


たしか、自分たちの後ろを歩いていたハズなのに……。


疑問を感じながらも、りえはソラへと近づく。


「ソラ、どうしたの? やっぱり気分悪い?」


俯いたままのソラにりえが聞く。
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