赤い扉(ホラー)
りえはその声に「あっ!」と声を上げた。


今朝、資料室で会ったあの声と同じだ!


「思い出した? 二年C組の田村りえさん」


「えぇ……」


まさか、こんな美少年だったとは思ってもいなかったりえは、心臓がバクバクと高鳴るのを覚えた。


「なになに? 知り合い?」


興味津々に聞いてくるソラに、「まぁ……」と中途半端に返事を返す。


すると、「あ、なにそれ。俺らキスした仲じゃん」と、その男、国方が頬を膨らませるようにして言った。


「キスゥ!?」


ソラが大声を出す。
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