赤い扉(ホラー)
りえは一歩一歩女の子に近づき、「あなたは私なの?」と聞く。


「違うよ」


いつもの口調で返された。


あの子と私は別人。



ホッとするが、それではこの子は一体何なのだろうか、そうして私にこれほどにまで付きまとうのか……。


「何か知っているなら、教えて」


女の子のすぐ目の前で足を止めるりえ。


すると、女の子はただ黙って真っ直ぐに指を差した。


りえが振り向くと、そこには母親の姿がある、死ぬ前のあの姿の母親だ。
< 203 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop