赤い扉(ホラー)
りえの言葉に驚いたように聞き返す国方。


りえは、そんな国方に出来事を教えてやった。


ここは両親の思い出の砂浜で、そして夢で見たあの家を、母親も見ていた事。



でも、あの女の子は私ではないこと。


国方は話を聞けば聞くほどにキツイ表情になって行った。


けれど、これまでにも非現実的な事が多々起きているのだから、信じるのには時間はかからない。


「なにか……、なにかあるハズだわ」


りえが必死に何か原因を探し出そうとする。


けれど、それがもし自分が生まれる前の出来事だとしたら?


少なくとも、自分が生きてきた中でこんな経験は初めてで、原因が自分にあるとも思えない。


そう気づいたとき、りえは一つの存在を思い出した。
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