赤い扉(ホラー)
そっと引くと、カラカラカラと微かな音を立てて扉が開く。


その瞬間、パッとセンサーラントが作動して、教室は明るくなる。


サヤカと安田は一歩部屋に入り、それから顔を見合わせた。


そこには、ただの真っ白な壁の教室があるだけ。


隅っこの方には空気清浄機が置かれていて、機械音が耳に付く。


問題の、あの赤い扉はどこにもなくて、ただ白い壁が続く。


「消えた……」


目をパチクリして、サヤカがグルリと見回す。


「消えたのか……。終ったのか、どっちでしょうね」
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