赤い扉(ホラー)
確かに、言われて見れば疑問は次々に浮かんでくる。


四人はその場で何となく立ち止まり、「行ってみるか」という国方の言葉で、地下室へと向かうこととなった。


地下室は相変わらずだが、机や椅子は安田が教室の中に移動させていた。


いちいち机が移動していることで問題になるのはゴメンだったからだ。


今はあの教室にもきちんと鍵がかけられていて、中には誰もいない。


国方は教室の前まで来て、ふと足を止めた。


なんとなく、気配がしたのだ。


振り向くと、他の三人も同じように気配を感じ、顔をこわばらせている。


けれど、鍵がかけてあるのだ。誰も入る事は出来ない。


そう思い、国方はそっとドアに手をかけて、少し力を入れる。とたんに、扉はスッと小さな隙間程度に開いたのだ。
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