赤い扉(ホラー)
「大丈夫だよ。静かにしてれば誰も来ない。


それに、ここで君と会って居たって、コンドームを地下室に捨てたって、生徒のせいにすれば終る話だ」


「生徒の……でも……」


話の途中途中に、戸田と校長の喘ぎが聞こえてきて、りえは吐き気を覚えた。


「心配ない。バレなきゃいいんだから」


その言葉に、国方は渦のような怒りを覚えた。


すべてを生徒の責任にして、こんなところで逢引とは。


大声で怒鳴ってやろうと思った瞬間、国方は何者かに口を塞がれた。


「お前らはさがってろ」


そこにいたのはサヤカだった。


まるで、獲物を見つけたハイエナのように微笑み、一歩教室へ踏み入れる。
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