赤い扉(ホラー)
☆☆☆
その日から、地下室は使用禁止になり、すぐに地下室取り壊しの作業が始まった。
教室で授業を聞きながら、りえはぼんやりと作業の音に耳を傾ける。
校長と戸田の事は秘密になったままだが、それでもなんとなく二人の態度が変わったことと、急に地下室がなくなることに疑問を覚えている生徒はいた。
「うるさいなぁ」
担任の川村が、教卓に立ちながら工事の音に顔をしかめる。
りえは、ソラと目を見交わし、軽く微笑む。
地下室がなくなれば、本当に母親と妹とは会えなくなる。
なんとなく、そんな気がして、少し寂しい感じもする。
けれど、不意にりえとソラはハッと顔を上げた。
「今……」
りえが呟く。
「うん、聞こえた」
ソラも、頷く。
「バイバイ」
そんな、未来の声が、確かに、工事の音と一緒に聞こえてきたのだ。
「バイバイ」
りえは涙をこらえながら、一言返事をしたのだった……。
END
その日から、地下室は使用禁止になり、すぐに地下室取り壊しの作業が始まった。
教室で授業を聞きながら、りえはぼんやりと作業の音に耳を傾ける。
校長と戸田の事は秘密になったままだが、それでもなんとなく二人の態度が変わったことと、急に地下室がなくなることに疑問を覚えている生徒はいた。
「うるさいなぁ」
担任の川村が、教卓に立ちながら工事の音に顔をしかめる。
りえは、ソラと目を見交わし、軽く微笑む。
地下室がなくなれば、本当に母親と妹とは会えなくなる。
なんとなく、そんな気がして、少し寂しい感じもする。
けれど、不意にりえとソラはハッと顔を上げた。
「今……」
りえが呟く。
「うん、聞こえた」
ソラも、頷く。
「バイバイ」
そんな、未来の声が、確かに、工事の音と一緒に聞こえてきたのだ。
「バイバイ」
りえは涙をこらえながら、一言返事をしたのだった……。
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