赤い扉(ホラー)
「ありがと」


りえは小さく頷いて、サヤカと共に病室を出た。


出た瞬間、何か肌寒いものが体中を駆け巡り、りえは身震いをした。


「なに、あの子」


それと同時に、サヤカが前方に立っている女の子に気づいて首をかしげた。


赤いスカートと白いフリルのついたシャツを着た女の子が、ジッとこちらを見つめている。


りえは、何故だかその子に目を奪われて、体が動かなくなる。


「こんな時間に一人? お母さんは?」
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