赤い扉(ホラー)
地下室は思ったより明るく、りえをホッとさせた。


「電気、つけたら明るいのは当たり前だよね」


と、気分を紛らわせるために独り言を呟く。


地下室の階段を下りると、真っ直ぐに伸びた長い廊下が姿を現す。その廊下を真っ直ぐ行って真正面にあるのが資料室だ。


その他にも両側に昔使われていた教室があるが、そこが一体何の教室だったのか、たぶん皆知らないだろう。


りえは歩きながら壁や天井のシミに顔をしかめる。


地下室で湿気があるためか、やけにシミが多く、歩く場所によればギィィと嫌な音を立てる。


資料室の前まで行くと、肘で起用にノブを回し、足で扉を開く。


一瞬、鼻につくタバコのにおいにりえは顔をしかめた。


誰かがここでタバコを吸ったのだろうか?


まるでついさっきまで吸っていたかのようなきついにおい……。
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