赤い扉(ホラー)
「ソラ、どうしたのよ」


荒い息を吐きながら、りえが聞く。


「別に」


りえとは対照的に、運動が得意なソラはいくら走っても息はきれていない。


「別にって……」


言いかけて、むせ込む。声を上げようとしたら更に体力を失ってしまう。


ソラは教員用の椅子に座り、ブラブラと足を揺らす。


りえは軽くため息をつき、「言いたくないなら別にいいけど……」と視線を宙に泳がせる。


次の瞬間、突然ソラが立ち上がり、りえにキスをしてきた。


一瞬、目を大きく見開くりえ。
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